私たちは、ヒトと常在菌からなる超生命体だ。
We are a superorganism
ノーベル医学 生理学賞の受賞者で、微生物・分子生物学者のJoshua Lederberg 博士は、「我々人間は、ヒトと常在菌*2が高度に絡み合った“超生命体”として考えるべき("We should think of each host and its parasites as a superorganism with the respective genomes yoked into a chimera of sorts.")」と述べています。私たち一人ひとりは、生物の共同体であり、共に協調して生きている生態系なのです。
人間と共生する常在菌は、私たちの健康に不可欠な存在です。特に、腸内細菌叢と疾患との関係では、その変容が神経系、免疫系、代謝系などの様々な臓器・組織における病態と相関することが明らかになってきました。
この常在菌の働きの助けで、私たちは様々な恩恵を得ています。そのためにも、常在菌のバランスと多様性を維持することがとても重要です。
そして、これらに大きな悪影響を与えるのが、抗生剤や強度の情動ストレス、加齢、生活習慣とされています。また、食生活においては、食物繊維をはじめとする難消化性食品成分ルミナコイド(発酵性食物繊維)の不足です。特に疾患のある方の腸内細菌叢は、食事の影響を受けやすいことも分かってきました。
当社は、“人間はヒトの細胞と常在菌の共生からなる「超生命体(superorganism )」”という視点に立ち、健康の要である、多様性のある腸内細菌叢の維持に寄与する製品・サービスの開発および提供を続けていきます。
*2. 常在菌:正確には常在微生物。病原性を示さない細菌、カビ、酵母、ウイルスなどの微生物を言います。
NEWS
最新情報
2024年7月3日
長年課題であった「細菌叢DNA 抽出」方法の最適化で、信頼性の高い細菌叢解析を支援するアカデミア向けサービスを開始
2024年1月22日
マタニティ期(妊活中・妊娠中・授乳)も安心、「Lulumilk(ルルミルク)」がマタニティフードに認定されました
2024年1月9日
MESSAGE
ガット・マイクロバイオームで人々の生活の質を高め、
社会に必要とされる企業・人々の笑顔をつくる事業を目指して
従来の腸内細菌叢の研究は、個々の腸内細菌を培養し、その性質やゲノム・遺伝子を解析する個別研究が一般的でした。しかし現在は、細菌を培養することなく、約1,000菌種と言われる腸内細菌の全てをまるごと解析するマイクロバイオーム(微生物叢)*3研究へと発展しています。マイクロバイオーム研究が国際的に始動して、2024年で約18年を経過しました。この間に4万報をこえる学術論文が発表され、様々な新たな発見が報告されています。
注目すべきトピックスとしては、「疾患の腸内細菌叢は変容(dysbiosis)*4している」、「肥満(体)の腸内細菌叢が肥満を起こす」、「健康な人の便が、ある種の慢性腸炎を治癒する能力をもつ(便微生物移植:FMT)」、「特定の腸内細菌種がヒトの免疫細胞の分化を誘導する(腸内細菌と免疫との関係)」、「アルツハイマー病などの神経系疾患や脳機能に腸内細菌叢が関係している(脳腸相関)」などが挙げられます。これらの研究は、腸内細菌叢とヒトの健康と病気が密接に関係していることを科学的に証明していると共に、腸内細菌叢あるいは腸環境には個人の一生の健康状態、さらには寿命にまで関与する根源的なファクターの存在を示唆しています。
上記の医学分野での研究の進展と共に、産業界でも、健康なヒトの腸内細菌叢の特徴を調べて、そのデータを元に腸内細菌叢を制御・改善し(いわゆる「腸活」)、より科学的エビデンスに基づいた健康維持や疾病予防策(生活・食習慣の改善、食品、サプリメントなど)の開発や事業化が盛んになって来ています。
このようなマイクロバイオーム研究分野の将来性と発展性に注目し、この度、当社は「細菌叢解析事業」を開始しました。本事業の第一弾として、糞便や唾液などの様々な試料の「細菌叢DNA抽出サービス」の受託サービスをスタートしています。
今後の計画として、本事業では16S解析やメタゲノム解析*5など、主に観察研究や臨床研究での、被験薬や被験品及びサービスの効果や機能の科学的な検証・解析支援も順次開始します。また、当社「ルミナコイド事業」と連携を図った総合的な腸内改善サービスも準備しています。
当社は、「細菌叢解析事業」と「ルミナコイド事業」を通じて、今後もガット・マイクロバイオーム(腸内細菌叢)で人々の生活の質を高め、社会に必要とされる企業、人々の笑顔を作る事業を目指し、邁進していきます。
代表取締役 酒井康光
*3. マイクロバイオーム(微生物叢):人体の常在菌叢には約40兆個の少なくとも1,000種の微生物が生息しています。このような微生物の集団を「マイクロバイオーム(微生物叢)」と言います。また、マイクロバイオームに関連する語句として細菌叢の遺伝子情報全体を表す「メタゲノム」も使われます。
*4. 腸内細菌叢の変容(dysbiosis):様々な疾患患者の腸内細菌叢は健康な人の腸内細菌叢と比較して、大きくその菌種数や菌種組成が異なっていることが明らかになっています。このような、健康な腸内細菌叢とは異なった腸内細菌叢の状態を変容(dysbiosis)と言います。
*5. メタゲノム解析:16S解析が16S遺伝子に特化した解析であるのに対して、16S遺伝子を含めた細菌がもつすべての遺伝子情報を取得して、菌種やたんぱく質情報などを含めた細菌叢の解析が「メタゲノム解析」です。さらに、メタゲノム解析は、細菌以外の腸内の微生物であるファージ(細菌に感染するウイルス)や酵母などのカビ類などの解析にも有効です。
マイクロバイオーム研究が今までの常識を変える。
The Microbiome Revolution
CAMPANY
会社概要
商号 :株式会社Smart Gut
(カブシキガイシャ スマートガット)
[旧商号 :株式会社Smart Lab
(カブシキガイシャ スマートラボ)]
英文表記:Smart Gut Inc.
中文表記:斯玛特格特有限公司
所在地 :東京都千代田区九段南1丁目5番6号 りそな九段ビル5階
調査研究:シンガポール共和国31タングリンロード#15-04
設立 :2017年7月21日
資本金 :40,709,000円(2024年4月末現在)
取引銀行:りそな銀行 室町支店 / 住信SBIネット銀行 法人第一支店
事業内容:細菌叢解析事業 / ルミナコイド事業
代表 :代表取締役 酒井 康光
役員 :取締役CTO 服部 正平
顧問 :内藤 裕二(京都府立医科大学大学院医学研究科 教授, 医学博士)
役員プロフィール:
代表取締役 酒井 康光 SAKAI Yasumitsu
早稲田大学社会科学部社会科学科卒、広告・マーケティング企画プロデュース会社である「アイベックスアンドリムズ株式会社」取締役副社長、同社ITプロモーションサービス事業が分離独立した「デジタル・コミュニケーション・エンジニアリング(DiCE)株式会社」代表取締役社長を経て、2004年株式会社デジタルガレージグループと前記2社との事業統合後、退任、その後独立し、IT系ベンチャーCOO、エンターテイメント系企業執行取締役社長、医療系ベンチャーのアドバイザーなどを経て、2017年株式会社Smart Lab(現在のSmart Gut)を設立、アカデミアと共同で発酵性食物繊維・ルミナコイドの調査・研究を開始し、現在に至る。日本食物繊維学会会員、日本抗加齢医学会会員
取締役CTO 服部 正平 HATTORI Masahira
大阪市立大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)、東亜合成株式会社勤務後、九州大学遺伝情報実験施設(助手)、米国スクリプス研究所及びカルフォニア大学サンディエゴ校(リサーチアソシエイト)、東京大学医科学研究所ヒトゲノムセンター(助教授)、理化学研究所ゲノム科学総合研究センター(チームリーダー)、北里大学北里生命科学研究所(教授)、東京大学新領域創成科学研究科(教授、現名誉教授)、早稲田大学理工学術院(教授、現招聘研究員)、理化学研究所生命医科学研究センター(チームリーダー)などを経て、現在に至る。この間、東京農工大学、麻布大学(客員教授)、慶應義塾大学医学部(特別招聘教授)、法政大学、金沢大学、九州大学(非常勤講師)、日本学術会議連携会員、日本学術振興会産学協力研究委員会委員、France-Génomique海外委員、国際ヒトマイクロバイオームコンソーシアム(IHMC)2022(第9回IHMC国際会議主催)(組織委員長)などを兼務。研究分野はゲノム科学(ヒトゲノム、微生物ゲノム、ヒトマイクロバイオーム研究)。
主な著書・監修書は、『ヒトゲノム完全解読から「ヒト」理解へ』(東洋書店 2005)、『メタゲノム解析実験プロトコール』(羊土社2016)、『ヒトマイクロバイオーム研究最前線Vol. 1, Vol. 2』(エヌ・テイー・エス2016, 2020)など。そのほか、NHKサイエンスゼロ「おなかの中の小宇宙 腸内細菌に迫る」(2008)、NHKスペシャル「腸内フローラ」(2015)、NHKスペシャル「「人体」万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった」(2018)に出演。
学術論文リンク先:[ Google Scholar ] [ Clarivate:Web of Science ]
BUSINESS#1
細菌叢解析事業
当社が持つ、検体からの網羅的な細菌叢DNA抽出技術で細菌叢の全貌を捉え、信頼性の高い細菌叢DNA解析を通じて、マイクロバイオーム研究の発展に寄与することを目指しています。
受託サービス
[1] DNA抽出サービス
人や動物の糞便や唾液、皮膚などから細菌叢DNA抽出
[2] DNAシークエンシング*3サービス[準備中]
16S rRNA遺伝子解析とメタゲノム解析
[3] バイオインフォマティクス解析*4サービス[準備中]
情報学・統計学を用いた16S及びメタゲノム配列データからの細菌叢の菌種、菌種組成、遺伝子組成、多様性などの解析
コア技術:
(1)糞便・唾液・皮膚などの常在菌叢サンプルの安定的な収集・保存・搬送技術
(2)常在菌叢サンプルからの細菌叢DNA抽出技術
(3)NGSを用いた大量DNA配列データの取得と高速・高精度解析パイプライン
(4)ヒトや動物の腸内細菌叢を評価する解析パイプライン
BUSINESS#2
ルミナコイド事業
発酵性食物繊維・ルミナコイド*6は、腸内細菌叢の主要なエネルギー源であり、感受性の高い腸内細菌叢を調節する因子となります。当社は発酵性食物繊維・ルミナコイドの調査・研究を通じて人々の健康寿命の伸長に寄与することを目指しています。
*6. ルミナコイド:日本食物繊維学会が提唱している食物繊維に代わる概念で、「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分」と定義された、難消化性食物成分です。
[1]調査・研究開発
発酵性食物繊維・ルミナコイドの効果に関する腸内細菌叢の研究を通じて、自社製品の開発に取り組んでいます。
観察研究
⼀般社団法⼈⽇本複合医療臨床研究会 / 動物病院
共同研究
早稲田大学理工学術院生命医科学科 大島研究室 大島 登志男教授
※内閣府 官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)に参画
➡︎「発酵性食物繊維・ルミナコイド」詳細
[2]自社開発製品
発酵性食物繊維・ルミナコイドを複合化した栄養補助食品「ルルミルク」
より良い腸内環境づくりには、腸内細菌叢の健全な育成・多様性の維持が欠かせません。そして、健全な腸内細菌叢には、難吸収・難消化性食品成分である発酵性食物繊維・ルミナコイド」が不可欠です。当社は、マイクロバイオーム研究に基づき、複数種類の発酵性食物繊維・ルミナコイドを配合した食品「ルルミルク(Lulumilk)」を開発しました。
優位性
発酵性食物繊維・ルミナコイドは「分子量」、「分子構造」、「可溶性(水溶解性)」、「粘性」、「発酵性」など特性が異なる様々な成分の総称です。そのため各々の発酵性食物繊維・ルミナコイドの腸内での「発酵速度」や「産生代謝物」、及び「各代謝物の産生比率」、「菌叢の多様性への影響」も異なることから、ヒトに及ぼす生理作用も一様ではないことが知られています。「ルルミルク」は当社独自研究に基づき、このような発酵性食物繊維・ルミナコイドの特性を踏まえ、多種類のルミナコイド成分をバランス良く配合しています。
製品特徴
ルルミルクは、長年人々が食してきたプラントベース(植物由来)の原材料をもとに、各発酵性食物繊維・ルミナコイド毎の特性を考慮に複合化しました。添加物を加えず、素材の風味と旨みだけの素朴な味覚で、手軽に、継続摂取しやすいように設計しています。粉末状の食品なため、水やお湯、各種飲料に混ぜての飲用から、料理や菓子類にふりかける、混ぜて調理することもできます。子供から妊婦、高齢者の方まで安心してお召し上がりいただけます。
今後も改良を重ね、より良い製品にバージョンアップすると同時に、バリエーションを増やし、より多くの方々のニーズに応えてまいります。
Version3の主な含有発酵性食物繊維(ルミナコイド)
難消化性デンプン(難消化性再結晶アミロースを含む)、難消化性タンパク質 (プロラミン) 、難消化性デキストリン、グァーガム分解物、β-グルカン、セルロース、ヘミセルロース(アラビノキシラン、アラビノース)、リグニン 、アラビノガラクタン、フルクタン(イヌリン、レバン)、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖(ラフィノース、スタキオース)など
※ご注意
本製品には、グルテン、ガゼインは含んでいません。
本製品はFODMAP食に該当します。腸疾患のある方はお控えください。
販売チャネル
一部の医療機関と、以下のオンラインショッピングサイトで販売しています。
・自社公式サイト (https://www.lulumilk.com/)
・Amazon「Smart Gut ウェルネスオンライン」
・楽天市場「Lulumilk 公式オンラインストア」
※一般小売店店舗への卸販売は行っておりません。
「ルルミルク」「Smart Gut 」は株式会社Smart Gutの登録商標です。
BUSINESS
事業概要
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